【税務調査で狙われやすい!】社内飲食費を福利厚生費にするための「給与認定」回避術と3つの対策


【税務調査で狙われやすい!】
社内飲食費の損金算入の落とし穴と確実な対策
経営者の皆さん、こんな経験はありませんか?
「社員との打ち上げ費用を経費にしたのに、税務調査で“それは給与(現物給与)では?”と指摘された…」
実はこの「社内飲食費」の扱い、税務調査で非常にチェックされやすいポイントです。“福利厚生費”として損金算入できるかどうか、その境界線を見ていきましょう。
1. 社内飲食費とは?
社内飲食費とは、自社の従業員のみで行う飲食の費用のことを指します。
- プロジェクト完了後の社内打ち上げ
- 歓迎会・送別会、忘年会、新年会
- 社内会議後の軽食や弁当代
これらは「交際費」(社外関係者との飲食)とは異なり、相手が自社の従業員である点が大きな違いです。
2. 「福利厚生費」と「交際費・給与」の境界線
社内での飲食費は、原則として「交際費」には該当しません。しかし、「福利厚生費」として損金算入できるか、それとも「給与」(源泉所得税の対象)または「交際費」(原則損金不算入)になるかが問題となります。
✅ 福利厚生費として認められるための要件
社内飲食費が「福利厚生費」として認められるためには、次の2つの大原則を満たす必要があります。
- 全従業員を対象とし、機会が均等であること
- 社会通念上、一般的に妥当な金額であること(特定の者に豪華な飲食を提供していないか)
❌ 落とし穴となるケース
- 特定の役員・社員のみの会食:全社員に機会が与えられていないため、「福利厚生」とは認められません。特定の者への「現物給与」として源泉徴収が必要になるか、または「交際費」として損金不算入となるリスクがあります。
- 高額すぎる飲食:一人あたりの費用が社会通念上の常識を超えている場合、やはり「給与」または「交際費」と判断される可能性があります。
3. 判例が示す「特定の者への給与」リスク
裁判の例を見てみましょう。ある会社が、役員と一部の管理職だけで行った高額な会食費を福利厚生費として処理していました。
税務署は「特定の者に限定された飲食は福利厚生ではない」と指摘。裁判所もこれを認め、当該費用は「役員や特定の使用人に対する現物給与」、すなわち「給与」に当たると判断しました。
判決のポイント: 参加者が全社員ではなく、特定の地位にある者に限られていたため、経済的利益の供与(給与)と見なされ、会社は源泉所得税の納付漏れを指摘されました。(東京地裁 平成25年3月28日判決)
このように、「誰が参加したか」が給与認定を避けるために非常に重要なのです。
4. 税務調査で指摘されないための3つの対策
社内飲食費を確実に「福利厚生費」として認めてもらうために、以下の点を徹底しましょう。
| 対策のポイント | 詳細 |
|---|---|
| ① 均等な機会の提供 | 全社員(非正規含む)を対象とした行事であること。例えば、全社的な慰労会や忘年会など、誰もが参加できる機会を設けることが必須です。 |
| ② 金額の妥当性 | 一人あたりの費用が一般的に妥当な水準であること。豪華すぎる食事や高額な酒類の提供は避けましょう。 |
| ③ 証拠書類の完備 | 以下の記録を保存し、「福利厚生目的」であることを明確にします。 ・領収書(但し書きに「社員慰労会費用」など) ・開催通知・案内文(全社員対象であることがわかるもの) ・参加者名簿(出席者が広範囲であることを示すもの) |
5. まとめ
社内飲食費は、全社員を対象とするか、特定の者に限定されるかで扱いが大きく変わります。
特定の者への飲食と判断されると、交際費(損金不算入)になるだけでなく、給与(源泉所得税の課税対象)として追加で税金を徴収される最悪の事態もありえます。
正しい区分と客観的な証拠書類の保存を心がけましょう。社内の飲食費や福利厚生費の扱いに不安がある方は、税務調査に詳しい専門家へのご相談をおすすめします。







