消費税の税務調査で
まず見られる3つの核心ポイント
「税務署から調査の連絡が来た…」
多くの経営者様にとって、税務調査は心理的な負担が大きく、不安を感じるものです。特に消費税は、インボイス制度の導入によりチェックが格段に厳しくなっており、事前の準備不足が思わぬ追徴課税を招くケースも少なくありません。
税務調査への不安を解消するために
「何を見られるのか?」「どう答えればいいのか?」を知っておくだけで、当日の対応は大きく変わります。本記事では、消費税調査で必ずチェックされる3つの核心ポイントをプロの視点で分かりやすく解説します。
消費税の税務調査は、「売上と仕入れの記録が正確で、かつ法律に基づいた処理がされているか」に焦点が絞られます。特に、以下の3項目は調査官が最初に厳しくチェックする核心ポイントです。
1. 売上の計上漏れがないか(課税売上高の正確性)
消費税調査で最も指摘が多いのが、この「売上の計上漏れ」です。
- 全経路の売上確認:レジ売上、ネット販売、銀行振込、そして現金取引など、すべての販売経路が漏れなく帳簿にあるか確認されます。
- 現金商売の厳格チェック:レジの記録と実際の預金入金、帳簿の売上が一致しているか。ズレがあると「意図的な売上除外」を疑われるリスクがあります。
2. 仕入税額控除の適用要件(必要書類の有無)
仕入れや経費にかかった消費税を差し引く「仕入税額控除」が正しい書類に基づいているかが見られます。
- 法定帳簿と請求書等の保存:請求書や領収書が保存されていない場合、控除は認められません(消費税法第30条)。
- インボイス(適格請求書):2023年10月以降、原則として適格請求書がない仕入れは控除が認められなくなりました。登録番号の確認と保管体制が最重要です。
【関連判例】書類不備は控除否認に直結する
東京地裁 平成26年3月13日判決では、請求書が不完全で「取引の実態が確認できない」として仕入税額控除が認められず、追徴課税の対象となりました。
3. 経費・資産区分の適正性(税率や分類の判断)
- 私的費用の排除:事業に関係のない個人的な支出が混ざっていないか厳しくチェックされます。
- 科目の誤区分:10万円以上の備品など、本来「資産」とすべきものを一括で「経費」処理していないか確認されます。
- 軽減税率の適用間違い:10%と8%の区分ミスは、会計ソフトの設定ミスも含めて指摘されやすいポイントです。
調査に備えるための3箇条
- 書類整理の習慣化:インボイス等を月別・取引別に整理し、受領時に内容が完全か即座に確認する。
- 登録番号の定期チェック:主要な取引先のインボイス番号が正しいか、国税庁サイト等で定期的に確認する。
- 会計ソフトの再設定:軽減税率の区分、資産と経費の分類ルールが正しく設定されているか見直す。